
赤外線カメラは、外気温度の影響を排除し、検出精度を高めるために様々な工夫を行っています。最も一般的なものがシャッタによる温度補正です。赤外線カメラ筐体から放射される赤外線画像を保存して、計測時に減算することで対象物からの赤外線エネルギーだけを抽出しているのです。メリットとして、比較的シンプルな構造で検出精度を高めることができますが、シャッタ補正直後の計測値のみが本当に正確な値となります。これに対して、赤外線カメラ筐体とマイクロボロメータとの間にペルチェ素子などのシールドを置くことで、マイクロボロメータに入射する赤外線エネルギーを一定にするのがシールドタイプの温度補正です。メリットとして、サーモカメラの筐体温度の変化に左右されないため、より精度を高めることができます。しかし、構造が複雑化するため、レンズがやや大きくなる傾向にあります。
赤外線カメラを生産現場に導入する際には、温度補正がどのように行われているかも確認することをおすすめします。