
箔押しではアルミ製などのフィルムに熱を与えて物質に対して押し付けることで転写し、美しい光沢のあるカラーを与えることができる伝統的な技術を応用したものです。しかし、平面に対して行う場合は簡単ですが、曲面や凹凸のある物質に対して行う場合には、シワが入ったりムラが出てしまうのも課題でした。かつてはそのような状態でも妥協をして、裏面にシワや継ぎ目を集中させるなどして対処をしていた時代もありました。そんな中でカタニ産業株式会社が独自に開発したインモールド成形転写では、箔押しをするのと同時に加工をすることでこれまでの課題を解決することに成功しました。金型に箔押し用のフィルムを通して熱と圧力を加えて、転写をしながら樹脂などの素材を射出成形します。これにより、以前なら諦めていた箇所にも箔押しが可能となったほか、高精細なプリントも可能となりました。単色だけではなく文字やロゴ、イラストなども転写することができ、利用シーンが広がりました。カタニ産業株式会社が開発したインモールド成形転写は国内外から高く評価され、これまで家電製品や自動車のパーツ、デジタルデバイスなどに使用するボディや操作パネルなどに採用された事例もあります。フィルムが熱蒸着されることから素材としっかり結合するので滅多に剥がれることが無いことから、何度も押下されたり高温の場所で使用するなど過酷な環境での使用にも耐えられると評判です。カタニ産業株式会社が開発したインモールド成形転写が、素材加工の現場に革新をもたらしています。